2012年12月21日金曜日

アジソン病

アジソン病(副腎皮質機能低下症)は、副腎皮質ホルモンの分泌量が低下することで起こる病気です。 急性のものと慢性のものとに分かれます。慢性のものでは、食欲が落ちる、元気がなくなる、吐いたり下痢したりする、体重が落ちる、といった症状がみられ、この症状は良くなったり悪くなったりを繰り返します。また、水をたくさん飲む、尿の量が増えるといった症状がみられることもあります。急性のものでは、急に元気がなくなり、ふらついたり倒れたりし、ショック状態に陥り、迅速に治療をしなければ、命に関わることがあります。これらの症状は、犬がなんらかのストレスを受けたときに現れます。

2012年12月18日火曜日

急性免疫介在性溶血性貧血

免疫介在性溶血性貧血は赤血球表面に、免疫抗体が結合して、赤血球が破壊されるために起こる貧血のことです。 初期症状は、寒がる、食欲不振、落ちつきがない、運動時疲れる、脱力などで貧血特有の症状というわけではありませんが、歯茎が白っぽい、白い犬で皮膚のピンク色がなくなるなどが起こった場合は、貧血を疑ってよいでしょう。 まれですが赤色尿や黄疸もみられます。また消化器症状(嘔吐、下痢)なども起こる場合があります。状況によりにも血液を固めるのに必要な血小板も一緒に減少することがあります。このケースでは皮膚や粘膜に点状出血や紫斑がみられて、血便や黒色便もあります。その他の症状としては、常にみられるとは限りませんが、呼吸が速くなる・四肢が冷える・鼻、耳の先端、足の先が紫色になり、壊死したようになることもあります。

甲状腺機能低下症

皮膚に色々な症状が見られるほかに、全般的に元気が少なくなる、寒がりになる、体重が増える(肥満傾向)といった症状が現れ、加齢によるものと思われがちで、飼い主に病気と気づかれないことが多いようです。甲状腺機能低下症は、体の代謝を活発にする役割をもつ甲状腺ホルモンの分泌量が減少することで起こる病気です。 甲状腺機能低下症の予防法はないので、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。気になる症状が見られる際には、動物病院の診察を受けるようにしましょう。

2012年10月16日火曜日

クッシング症候群

副腎という内分泌腺から特殊なホルモンが過剰に分泌されることで起こる疾患です。 おもに6歳以上の犬に多く見られますが、なかには1歳未満の若齢犬にも見られることもあります。犬種を問わず発症しますが、特にダックスフンド、プードル、ポメラニアン、ボストン・テリア、ボクサーなどに発症しやすい傾向があります。 症状は、肥満(顔が丸くなったりおなかに脂肪がつく)が起こったり、筋肉が薄くなったり(肩やお尻・ふとももの筋肉が薄くなり、階段の上りなどがつらくなる)、皮膚が薄くなって、ちょっとしたことで青あざができやすくなります。ニキビが多くなったりすることもあります。 水をたくさん飲む、尿の量が増える、食欲が増す、体重が落ちるなどの症状が現れ、糖尿病を併発することもあります。全体的に毛がうすくなる、左右対称に毛が抜ける、お腹が膨れるなどの症状も現れる。 ジャンプや運動をしたがらない、皮膚がうすくなったり、黒ずんだり、脂っぽくなったりするなどの症状も見られる。避妊していない場合は、発情が止まったりすることがある。 病気が進行してくると、しだいに元気がなくなり、眠ってばかりいます。免疫が低下するため、様々な感染症(皮膚炎・膀胱炎等)にもなりやすくなります。放置すれば命に関わります。

2012年10月7日日曜日

膵炎

急性膵炎では、一般的に肥満気味の中齢の雌犬に起こり発熱や元気・食欲の低下、腹痛、浅速呼吸、嘔吐や下痢、脱水などが現れます。重症の場合には、呼吸困難やショック症状を示すことがあり、命に関わることもあります。慢性膵炎の場合、程度は軽いものの、急性膵炎とよく似た症状を断続的に起こします。膵炎が軽症の場合には、犬は「お辞儀」をするように身体の前半身を低くしますが、後半身を下ろすのは嫌がり ます。そして、噂眠、嘔吐、下痢、発熟を誘発します。 犬種ではミニチュア・プードル、ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエル、ウェスティ(ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア)などに発症率が高いといわれています。

2012年9月29日土曜日

リウマチ

リウマチは関節炎です。朝に前後肢の関節がこわばっていてうまく動かないため目が覚め起き上がろうとしてもしばらくじっとうずくまりモゾモゾしながら動き始めると、「しびれ」が治っていくようにだんだん前後肢の関節が動きやすくなってくる。これが初期症状です。 少しずつ体を動かしているうちに体液の循環が活発になりこわばりが薄れていきます。軟骨組織は神経組織がなくいので、患部からの痛みを感じないため、受診しても、視診や触診では異常を発見することは難しい。 そのまま放置すれば関節の軟骨部位を破壊され激しい痛みを引き起こします。関節リウマチは進行性の病気で関節の変形がひどくなる一方で最終的には歩くこともできなくなる。 こういった症状があればすぐに受診しましよう。

2012年9月26日水曜日

子宮蓄膿症

避妊手術を受けていない中高年齢期のメス犬が罹りやすい病気です。 大腸菌などの細菌がメス犬の膣から子宮内に侵入して異常繁殖、炎症がひどくなって化膿し、子宮内に膿がたまるほど悪化します。子宮に細菌感染が起こり炎症がひどくなる、つまり体の免疫システムが働き、発熱状態が続き(この体温上昇は約30%の症例に認められる)、細菌の毒素による腎臓の二次的な障害によって、犬はたくさんのオシッコをし、水をがぶ飲みし出します。化膿するほど病原菌の勢いが強いと、膿がたくさん子宮内にたまっておなかが膨らんだり、病原菌の毒素が体に回って嘔吐や下痢、食欲不振になったりして、ぐったりすることも少なくありません。 こういった症状が見られたら、一刻も早く動物病院で診療を受けてください。

2012年9月21日金曜日

パテラ(膝蓋骨脱臼)

パテラ(膝蓋骨脱臼)とは、膝蓋骨が大腿骨の溝(大腿骨滑車)より内方、あるいは外方にはずれた状態を言い症状はビッコを引くことで分かります。トイプードルなどのプードル種は、この症状が出やすい犬種です。パテラには「先天性」のものと「後天性」のものがあり、「先天性」のパテラは親から遺伝してしまうものですが、「後天性」のパテラはフローリングの床などが滑ることから起こったり、ソファーから飛び降りただけで発生する飼育環境(住環境)によるものです。「後天性」の見分け方は、足の裏の肉球の開き具合を見ることです。じゃんけんで言うと、パーのように開いている場合は、後天性です。逆に開いていない場合は先天性というわけです。後天性の場合は、すぐに床材を変えたり、やわらかい土の上で毎日歩かせてあげてください。

2012年9月9日日曜日

ノミ退治

ノミは梅雨シーズンがベストシーズンです。3~4週間で成虫にます、逆に15℃くらいだと3~4ヶ月くらいです。10℃以下は産まれません。0℃で卵は死にますが、成虫は生きて暖かくなると血を吸い始めます。 卵は粘着性がなく床や他の所に落ちてしまいます。卵は1~10日ほどでふ化し、幼虫からさなぎ、そして成虫となります。体温の高い犬、猫の体はノミの温床になります。 ノミはつぶしてはなりません。メスの場合卵をまき散らしてしまいます。体に悪いので、ノミとりの薬品はまぜたり、複数で使ってはいけません。複数飼いのおうちでは、全員をまとめて入浴させてください。日を開けると、洗った子にまたノミがうつります。

2012年6月4日月曜日

皮膚病

急に蒸し暑くなると、犬猫の抜け毛が増えてその抜け毛をきちんとケアできていないと皮膚病になる確率が高くなります。その抜け毛をいつまでも皮膚にくっつけておくと、地肌の湿度が上がり、カビや細菌が繁殖します。犬猫の不快度も高まり、体をボリボリかきむしることで皮膚が傷つき、さらに皮膚病は悪化してしまいます。ブラッシングは毎日欠かせずやりましょう。

外耳炎

梅雨どきに多い病気です。もともと外耳道内には細菌や真菌がいますが、耳の中の湿度が上がるとそれらの菌が増殖し、外耳炎をさらに悪くします。特にビーグルやコッカースパニエルなどの垂れ耳の犬は要注意です。耳の中が赤くなったり、耳あかがふえてきたり、耳の中がただれてきます。 外耳炎自体はそんなに大した病気ではありませんが、気がつかずに放っておくと、中耳炎、内耳炎へと波及して、治療がとても難しくなります。

2012年5月31日木曜日

尿結晶(ストラバイト)

尿の中にキラキラ光って見える粒(ストラバイト)が出たら絶対に見逃さないでください。見逃すと手遅れになります。ダルメシアン、シーズは遺伝的に尿酸の代謝が悪いために多くの犬に尿酸結石ができてしまいます。シュナウザーもシーズーに次いでよく結石のできる種類です。 見つかったら運動させてください。そうすれば、尿のpHが低下し、溶けてなくなります。

2012年5月20日日曜日

変形性脊髄症

脊髄の障害部位から下に症状がでるため頸椎がやられるとほぼ手足ともに麻痺し、胸の中央より下部に脊髄疾患がある場合は前足は動かせて後ろのみ麻痺します。 急に立てなくなる、痛みはあったりなかったり、歩くのを嫌がる、四肢の麻痺、運動失調、排尿、排便の失禁などが主な症状です。ある日突然完全に麻痺というのは少なく今までもふらふらしていたけど、今日は全く立てなくなったというパターンが多いようです。 何らかの症状が出た場合、早めの病院に行くことが重要です。のんびりしてようすをみていると手遅れとなり生涯、麻痺が残る場合があります。 適度な食餌の量を守り、日頃の運動で肥満を防止することが大事です。

2012年3月10日土曜日

褥創

最近は動物用に低反発マットが売られているのでこれを利用すると非常に便利です。低反発マットは充分に厚みのあるものを選びますが、すべり難いマットは摩擦があるのであまりお勧めできません。
褥創とその周囲を清潔に保つためにバリカンで広めに毛を刈っておくことが重要です。毛が褥創の中に入り込んで異物となったり、浸出液や壊死組織がこびりついて汚くなったり汚染や感染の原因となることも珍しくありません。100円ショップなどで売られているプラスチックのスプレーなどを使用して、ぬるま湯で洗浄します。まず、周囲の皮膚の汚れをよく落とします。ぬるま湯で汚れをふやかしながら、ガーゼなどで優しく拭うようにして洗います。褥創の内部は、特にやさしく洗うようにします。

2012年2月18日土曜日

甲状腺機能低下症

この病気はダックス、ビーグル、柴犬に最も多い。
主な症状としては、慢性の外耳炎、ダイエットしてもなかなか痩せない。 毛がベタベタしている、あるいはゴワゴワ、カールしている。 尻尾の付け根や肛門周りが脱毛していて黒ずんでる。 なんとなくブルブル震える。 暑くない日でもハァハァしている。 脈が遅い。 などです。
クッシングとの違いは表情です。いつも幸せそうでテンション高いなら、クッシング。 いつも悲しい、情けない、疲れやすい、テンション低い感じだと甲状腺機能低下が疑われます。

2012年2月11日土曜日

脂肪腫

脂肪腫はメスの老犬に非常に多く見られ、猫には稀な腫瘍です。良性の腫瘍で、体のどこにでも見られますが、一般的には顔、胸、腹、脚に見られます。触れると軟らかい感じですが、筋肉面にできると固く腫れ上がっているようにも見えます。大きさは様々で、一箇所だけでなく多数見られることもあり、時間が経つにつれて大きくなり、体が痩せても小さくはなりません。脂肪組織の中に見られることもありますが、ほとんどは筋肉内或いは筋肉間に見られます。成長速度が遅く、そのまま放置しておいてもかまいませんが、成長速度が速い場合は切除します。
浸潤性脂肪肉腫は犬、猫ともに見られ、他の組織との境目が分からない良性の腫瘍ですが、筋肉を圧迫し運動障害を起こしたり、痛みを発生させたりすることがあり、最初から切除することを考えた方が良い腫瘍です。切除後も、再発の傾向があります。
脂肪肉腫は、脂肪組織の悪性腫瘍で、脂肪腫と同じように老犬に多く見られます。猫には稀な腫瘍です。

2012年1月24日火曜日

肛門のう炎

床にお尻をすりつけて引きずったり、肛門や尾の付根を舐めることがあります。
肛門の両側の皮膚のすぐ下に細い管が外部に開口している肛門のうがあります。肛門のうに分泌物がいっぱい詰まったり感染したりすると肛門のう炎が起こります。
感染がひどく肛門のうが大きく腫れたり破裂して血の混じった排液が見られることもあります。痛みがひどくて便秘になることもあります。